小説
★先入観なく読んだほうが面白いはず ネタバレではないですが、未読の方は以下読まないことをオススメします 主人公あおのは 田舎町の商工会の広報に勤めている。 同時に、加害障害に悩まされ心療内科にも通っていた。 その時取材で山奥のキシダ治療院に取材…
山あいの閉鎖的な村で起こる事件。 主人公の希子は地震で両親を亡くし、 叔父夫婦と暮らしている 。 現在は働かず叔父夫婦の年金で暮らしており、日々叔父の介護やおばの生活の補助におわれる。 ある日、町おこしのためのブロガーとして雇われ村にやってきた…
一気読み必至!のミステリー短編小説集だ どの話も最後の最後で、そういうことか!と そこまでの内容が一気にガラガラっとクリアになっていく。 自分が人に対してやったことが、人はどのように感じているかが読めないことにより、 思わぬ方向で自分に大きな…
赤と青とエスキース を読んだ あらすじ 「レイ」はオーストラリア留学で出会った、日系人の「ブー」と出会う。 二人は留学が終わるまでの期間限定の恋人として付き合う。 帰国直前に書いてもらったレイのエスキースは、その後色々な場所に巡り、様々な人と人…
成瀬は天下を取りに行く を読んだ。 中学2年生の成瀬あかりは、滋賀の地元ローカルテレビ局の番組で放送される西武大津店閉店のカウントダウンの生中継に、毎日 映り込むと決める。 成瀬と同じマンションに住む幼馴染の島崎は、 成瀬から写っているかをリア…
私にふさわしいホテル 数多くの文豪が執筆活動のためカンヅメとなった山の上ホテルに、毎年主人公は宿泊する。 ある新設の新人賞をとるも、同時受賞したタレントの本ばかり注目され、その後作品を発表する機会がなかった。 アルバイトで貯めたお金で、自腹で…
ついでにジェントルメン を読んだ 男性と女性の立場の違いからくる関係性をテーマにした短編集だ。 中でも、面白かったのが「あしみじおじさん」だ 主人公の亜子は幼い頃から貧しく、大学進学も断念していた。 顔のコンプレックスを解消するためバイトでお金…
夜が明ける を読んだ 父が借金を作って自殺した俺。 報道のみちをこころざすも、小さな芸能プロダクションに就職、過酷な労働環境、ハラスメントを受けながら、いつまでもADから抜け出せない必死で働く。 貧困のなか虐待を受けていた高校時代の友人アキも苦…
傑作はまだ 引きこもりの小説家 加賀野正吉のもとに、25年間一度もあったことのない息子 智が突然やってきた。 加賀野は全く人との接点がないまま50歳になっていた。 人当たりのよい智とともに、短い共同生活を送る中で、 智を介して自治体やコンビニ店長…
琥珀の夏 を読んだ。 静岡の山にある「ミライの学校」。 自然の中で、未就学児から10代後半、高校生に当たる年齢の子どもたちが共同生活を行っている。 自主性を育むこと、身の回りのことを自分でやれるようになること、 そして、子供たちが「対話」を繰り…
婚礼、葬礼、その他 を読んだ ヨシノはいつも呼ぶ側ではなく呼ばれる側の人間だと自負している。 結婚式でのスピーチ、2次回幹事を頼まれ、屋久島旅行をキャンセル。 さらに結婚式へ向かう途中、上司の父親の通夜手伝いに向かうことになる。 実子、孫には好…
綿矢りさ オーラの発表会を読んだ 主人公の海松子(みるこ)は人の気持ちを想像したり、 人からどう見られるかということを考えたりすることがかなり苦手。 他人の真似をして本人は生きているつもりだったが、 子供のころから学校では孤立しているとみられて…
逆ソクラテス を読んだ 小学生をモチーフとした短編集だ。 ■逆ソクラテス。 主人公の加賀の同級生、安斎は担任の久留米先生が、 自分の考えが正しいと思い込み先入観を持って児童に接していることに 反発し、「カンニング作戦」を実行する。 事実は事実とし…
碧野圭さんの小説、「書店員と二つの罪」 を読んだ。 「書店ガール」・「菜の花食堂のささやかな事件簿」…等の、 前向きに仕事頑張ってみよう!系のお仕事小説とは、 どうも表紙の雰囲気もコピーも違うぞ…とは思いつつ…だったが、 やっぱり全然違った。 17…
新卒で映像製作の企業に内定したが、その企業は入社するまえに、多額の負債を抱え計画倒産。 以来、映像製作系の会社からは弾き出され、定職を得ずにいた主人公が、もとバイト仲間から声をかけられて、 映画やドラマ制作の世界にバイトとして足を踏み入れる…
砂の王国は、新興宗教をテーマにした小説だ。 最近のニュースで、二世信者の苦悩や、宗教とお金の問題が大きくクローズアップされている今、この本を読み返した。 主人公は大手証券会社をクビになり、妻も出ていき、ホームレスになる。 寝泊まりする公園で出…
誰かが足りない 評判で予約のとりづらいレストラン[ハライ]に、10月31日6時に予約をした人たちにまつわる短編連作。 この本を読んで感じたのが これまでは変えられないから、 いま出来ることを考えて行動する、 ことだ。 失われたものは戻らない、失敗…
声の在りか 声の在りか 作者:寺地 はるな KADOKAWA Amazon 小学生の母でもある希和が、民間学童「アフタースクール鐘」で働くこととなった。 子供たち、夫、保護者や先生との日々では「世間」「常識」が優先で、違和感があってもはみ出そうとしなかった希和…
お探し物は図書室まで 小学校に併設の「羽鳥コミュニティハウス」には、図書室がある。 大なり小なり日常で悩みや困りごとを抱えている人たちが、レファレンスで探したい本を伝えると、司書の小町さんが、目的の本+全然関係なさそうな本1冊が掲載されたリス…
3分で読める!コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語 喫茶店をテーマにした、ショート・ショートが25作品収録されている。 中でも、気に入ったのは 「アットホームじゃない会社」だ。 主人公は、「アットホームな会社」という宣伝文句の企業は避けたいと考えて…
連作短編集、「ばくりや」を読んだ。 自分の能力と誰かの能力を交換する不思議な店、「ばくりや」。 女性に異常に好かれる能力、就職先がつぶれる、間が悪い…など、いろんな「能力」を持て余してばくりやを訪れる人たちの物語だ。 若干ネタバレ気味かも…だが…
ストーリー仕立てで、DXプロジェクトのキモがわかりやすく紹介されている。 DXを進めるにあたっての考え方をザックリ理解できる一冊だと思う。 この本では、DXのポイントとして以下のような点が挙げられている。 ドラッガーの5の問い、「ミッション」を知…
門井慶喜さんの地中の星 を読んだ。 日本で初めての地下鉄誕生から、営団地下鉄ができるまでの物語だ。 地下鉄建設のために奔走した早川徳次、歴史の表舞台に名は残らないものの、「誰もやったことがない」工事を、しかも「都会のど真ん中の地下で」「限られ…
戦の国 戦国時代、織田信長から豊臣秀頼まで、6人にフォーカスした連作短編集だ。 「黄金児」は豊臣秀頼のストーリーだ。 これまで抱いていたイメージ(ドラマで描かれていたイメージ?)と比べ、頑強かつ聡明で家康と堂々渡り合う青年として描かれている。 …
「こなもん屋うま子」シリーズを読んだ。 店は小汚くても出てくる料理は超絶品。 神出鬼没でちょっと不思議なこなもん屋料理店「馬子屋」に 次々引き寄せられる人たちの悩みを、 店主の蘇我屋馬子が解決に向けたアシストをする、 短編連作小説だ。 うま子は…
むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。 を読んだ。 竹取物語、おむすびころりん、わらしべ長者、猿蟹合戦、ぶんぷく茶釜 これらの話をモチーフにしたミステリー小説だ。 特に竹取物語がおもしろかった。 かぐや姫が求婚してくる男性に宝物を…
赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 まさに表紙の通り…赤ずきんがある目的の旅の途中で事件に遭遇し、 シンデレラ、ヘンデルとグレーテル、眠り姫、マッチ売りの少女 それぞれに関わる殺人事件の真相を解き明かす物語。 どの物語も、よく知る本線のはなしは…
アンと愛情を読んだ。 デパ地下の和菓子屋でアルバイトする主人公が、和菓子に関連する謎をとく短編連作、第三段だ。 印象に残ったのが、バレンタインデー向け催事応援として空港店から派遣された社員とのエピソードだ。 これを読んで思ったのが、 仕事のや…
げんじものがたり を読んだ。 源氏物語は、これまで「あさきゆめみし」で読んだだけで、 他の小説家が現代語版で書いたものは読んだことがなかった。 こちらは、 ・(基本)全編京都弁で ・今の口語っぽく 書かれた本だ。 例えば冒頭。 原文の はじめより我…
桐野夏生さんの小説だ。 エンタメ小説家、マッツ夢井 [文化文芸倫理向上委員会]から、召喚状をうけとる。 出頭すると、正しい小説を書くよう更正するという名目で、脱出不可能な療養所に監禁される。 日没 作者:桐野 夏生 岩波書店 Amazon 恐ろしい、の一言…