門井慶喜さんの地中の星 を読んだ。
日本で初めての地下鉄誕生から、営団地下鉄ができるまでの物語だ。
地下鉄建設のために奔走した早川徳次、
歴史の表舞台に名は残らないものの、
「誰もやったことがない」工事を、
しかも「都会のど真ん中の地下で」
「限られた技術と道具、日本という環境に合わせて」
やり遂げる数々の技術者たち。
地下鉄事業の資金集め・会社づくりから、実際の地下鉄敷設・開業までの
苦労、情熱、仕事にかける想いが描かれている。
すべての苦労が報われるとも限らない、でも、苦労した人は
それだけ人生の充実度が違ってくる。
誰もやったことがないことをやる、
その困難さがありありと感じられる小説だった。
田原町・稲荷町あたりの少しだけ地下に潜る感じ
(地下鉄と思えない乗り場の近さ)は、
もしかしたら当時の雰囲気を若干味わえるのかもしれない。
また銀座線に乗って出かけたくなった。
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タイトル 地中の星
著者 門井慶喜
出版社 新潮社
- 価格: 1980 円
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