いろんな本を読んでみる

本を読み散らかすだけじゃもったいない!ので、読んだ本を記録します

小説

「銀河鉄道の父」世間の目より、自分の気持ちに沿って生きる

「銀河鉄道の父」は宮沢賢治の生涯を、父・清次郎の視点で描いた小説だ。 銀河鉄道の父 (講談社文庫) 作者:門井慶喜 講談社 Amazon 清次郎は親の代からの質屋を成功させて、比較的裕福な暮らしをしている。 賢治が生まれた当時(明治時代)にしては珍しく、…

なぜ秀吉は

門井慶喜さんの本で、歴史上の人物に焦点をあてたものが、面白い。 「なぜ秀吉」はもその1冊だ。 なぜ秀吉は 作者:門井 慶喜 毎日新聞出版 Amazon この本では、秀吉が朝鮮出兵をするに至った動機を、名護屋城(名古屋城)築城に絡め、陶工・茶々の世話役だっ…

銀閣の人

銀閣の人 足利義政が、銀閣を建立し、「わび・さび」文化を作り上げ 後世にのこるまでを描いた小説だ。 銀閣の人 作者:門井 慶喜 KADOKAWA Amazon (以下は、ややネタバレ) 足利義政は、室町幕府の威厳が弱ってから八代将軍となった。 自身が将軍となってか…

むかしむかしあるところに、死体がありました。

昔話をモチーフにした殺人事件。 続編が出て初めてこの本の存在を知り、まずは初めの本から読んだ。 むかしむかしあるところに、死体がありました。 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 5つの昔話を基にしたミステリー小説で、 昔話では語られない部分で殺人事件が…

「ほたるいしマジカルランド」世間体より大事なもの

おしごと小説ということで、 「ほたるいしマジカルランド」を読んだ ほたるいしマジカルランド 作者:寺地 はるな ポプラ社 Amazon 遊園地で働くいろいろな従業員のエピソードが描かれている。 その中でも、三沢星哉の話が印象に残った。 星哉は、両親の離婚…

「透明な夜の香り」人の気持ちは変えられない

透明な夜の香り (集英社文芸単行本) 作者:千早茜 集英社 Amazon 「気持ちの変化」をキーとしたラブストーリー。 嗅覚が敏感な調香師の朔は、臭いで相手のウソをかぎ分けられる。敏感すぎるがゆえに、幼いころから傷ついてきている。感情の起伏が小さく、また…

「どうしてわたしはあの子じゃないの」世間に合わせる必要はない

「わたしの良い子」に続き、寺地はるなさんの「どうしてわたしはあの子じゃないの」を読んだ。 どうしてわたしはあの子じゃないの 作者:寺地はるな 双葉社 Amazon この本は、天・ミナ・藤生の同級生を中心とした話だ。 3人は山間の村の中学に通っていたが、…

「サンタクロースってホントにいるの?」に対する、「普通」にとらわれない生き方。わたしの良い子

主人公の椿は、甥っ子で小学生の朔と二人暮らしをしている。 朔の母は、未婚で朔を生んだのち、男と二人で沖縄に住んでいる。 椿は彼とは遠距離恋愛をしている。 「妹の子供がいたら結婚できないのでは?」、「母がいるのに伯母と暮らすのは普通ではない」と…