お探し物は図書室まで
小学校に併設の「羽鳥コミュニティハウス」には、図書室がある。
大なり小なり日常で悩みや困りごとを抱えている人たちが、レファレンスで探したい本を伝えると、司書の小町さんが、目的の本+全然関係なさそうな本1冊が掲載されたリストに加え、「付録」といって羊毛フエルトのマスコットを渡してくれる。
小町さんがプラスαの本と、付録をどのようにえらんでいるのか、基準はわからない。
しかし、利用者たちにとってプラスαの本やおまけは、不思議と自分の悩みにしっくりきて、新たな行動を起こすきっかけになる。
これを読んで感じたのが、
自分の悩みは自分の中に解決策があるかも。
ということ。
+αの本や付録に込められた意味があるのかないのか、それははっきりしない。
事前情報ナシで小町さんのフィーリングにて選んでいる(ようだ)
課題感のアンテナが立っていれば、偶然の出会いから、自分にとって意味のあることを見出せて、次の行動を起こすきっかけになることもある。
今は、モノとの偶然の出会いが減りつつあるように思う。
ありとあらゆるWebサービスは、膨大なコンテンツから「閲覧履歴」と「購入履歴」に基づき判断したリコメンドを送ってくるし、事前にレビュー等でいろいろ情報を得られる。「なるべく失敗しない」買い物ができるようになっている。
スマホや電子書籍の普及で、紙の本を貸し借りする機会はぐんぐん減ったし、コロナ禍で人と雑談する機会も若干減っている。
知人からの「これ読んだら面白かった~。読んでみ!」・上司からの「これ役に立つから読んどけ」的な、自分の趣味趣向から外れるような情報は入ってきづらくなっているのかな?と感じるのだ。
もちろん、効率的で良い面もあるが、新しいことに気づけない可能性もあると思う。
そんな今だからこそ、小町さんのレファレンスサービスが本当にあったら素敵だと思った。
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タイトル お探し物は図書室まで
著者 青山美智子