連作短編集、「ばくりや」を読んだ。
自分の能力と誰かの能力を交換する不思議な店、「ばくりや」。
女性に異常に好かれる能力、就職先がつぶれる、間が悪い…など、いろんな「能力」を持て余してばくりやを訪れる人たちの物語だ。
若干ネタバレ気味かも…だが、これを読んで、真っ先に思い浮かんだのが
藤子不二雄Ⓐ 氏の「笑うせえるすまん」だ。
ただ、笑うせえるすまんが「心のスキマ」で欲を出した場合に
悲劇が待っているのに対し、
この本は、不要な(自分にとって迷惑な)能力を、交換する(他力本願で何とかしてもらう)と決めた時点で、いろんな結末が待っている。
「因果応報」とか以前の問題なので、ちょっとぞくっとする話だ。
人の弱さを感じるとともに、自分の始末は自分でつけることが大事なのかな…と感じる1冊だ。
ーーーーーーーーーーーーー
タイトル ばくりや
著者 乾ルカ
出版社 文藝春秋社