げんじものがたり を読んだ。
他の小説家が現代語版で書いたものは読んだことがなかった。
こちらは、
・(基本)全編京都弁で
・今の口語っぽく
書かれた本だ。
例えば冒頭。
原文の
はじめより我はと思ひ上がり給へる御方方、めざましきものにおとしめ 嫉み給ふ。
は、
宮中で、フン、うちがいちばんに決まったあるやん、て、はなっから思い込んだはった女御はんらみんな、チョーやっかんで、邪魔もん扱いしはるん。
と、今の口語っぽい京都弁で訳されている。
京都弁の言い回しにたまにつっかえるものの
こうして今の言葉でスラスラ読むと、改めて源氏物語が
「古典文学」じゃなくて、「当時のベストセラー小説」だな!と感じられる。
「食べること・生きることで精いっぱい」ではない余裕のある階級の人たちの
人間関係の愛情やドロドロ、虚栄心…といった心の部分については
時代が違っても、現代と大きく変わらないと思った。
(身分とか、男性・女性の扱われ方の違いとか、もうそれは
1000年以上も昔の話で今にはそぐわないものもいっぱいある前提で。)
この本の中では、桐壺~葵までが訳されている。
ぜひ続きが読みたい。
(須磨や明石も出てくると、京都弁+神戸弁+播州弁で、活字で読むとさらに面白そう)
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タイトル げんじものがたり
著者 いしいしんじ