いろんな本を読んでみる

本を読み散らかすだけじゃもったいない!ので、読んだ本を記録します

アフロえみ子の四季の食卓

冷蔵庫なし。ガスコンロなし。そこで一人暮らしをして自炊をする。元新聞記者の稲垣えみ子。

著者が日々食べている食事を、春夏秋冬ごとに紹介する。

アフロえみ子の四季の食卓 (幻冬舎文庫 い 72-2)

 

冷蔵庫はないので買い置きもできない。

しかし、酒粕を活用したり、ぬか漬けにしたり、野菜は干したり、その日に食べる豆腐や魚のタンパク源を買ってきて焼いたり煮たりで食べる。

一汁一菜で毎日ご飯を作ってもそれは豊かな生活が送れるというのだ

 

 

 

■感想

電気に頼らず、自分で作って、安く美味しく食べられる。

そんな生活を

「人生に何を恐れることがありましょう?」

と著者は評する。

 

確かに、いざという時にその場の工夫で生きていくことができる、というのは、

ある意味、無敵だと思った。

 

あれもこれも失うのが怖くて、毎日不安に感じながら

失業しないように、今の暮らしが変わらないように、とお金があっても必ずしも幸せとは言えない。

 

なんとかなると思えることが心の平安につながる。

 

どうやったら何とかなると思えるのだろう。

冷蔵庫なし炊飯器になしガスの契約なし生活は

家族構成を考えてもあまりにも不便が大きいが

ある種ロールモデルとして

こういう生き方もあるんだと

田舎に引っ込んで自給自足生活をする以外でも、街で生きながらエネルギーを使わずに生きていく方法もあるんだ

と知れるだけで少し心が軽くなる。

 

 

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タイトル アフロえみ子の四季の食卓

著者 稲垣えみ子

出版社 幻冬舎

 

 

 

 

明日、世界がこのままだったら

目覚めると、見ず知らずのサチの住む都心のタワマンと、ワタルの住むアパートの部屋がくっついていた。

サチとワタルの暮らしていた街並がなぜかいびつに連なっていた。

明日、世界がこのままだったら (集英社文庫)

 

街には2人しかいない。

しかし何も不自由がなく、必要なものが手に入り、痛みなども感じない、時間の感覚もない不思議な空間で、2人は打ち解けていく。

そんな矢先、2人きりになった理由が明らかになる。

そして設けられたタイムリミットまでに残酷な決断をしなければならないことになる…

 

という話。

 

この方は一気読みしたくなるので、夜に読み始めるのはやめた方がいい。

 

サチは生まれも育ちも恵まれている。会社にもコネで入社している。それをやっかむ同僚もいるが、サチ恵まれているが故の葛藤を気遣う同僚もいる。

ワタルは美容師として高い技能を持ち、周囲から一目置かれるが、実は実家の事情を抱え、また、人知れず努力をしている。

 

そんな2人に共通するのは、相手のほうが価値がある人間だ、と感じていることだ。

 

サチがワタルに対して

ワタルは人を幸せにできる

と評する。

 

辛さから逃げたくても、手放したくないなにか大切なものがあるから、人は悩むのだと思う。

 

たとえ波風が立たなくても、一人では生きていけない、そんな覚悟をさせてくれる一冊だった。

 

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タイトル 明日、世界がこのままだったら

著書 行成薫

明日、世界がこのままだったら (集英社文庫)

 

日本一ややこしい京都人と沖縄人の腹の内

タイトルはいかにもイケズな京都人、排他的な沖縄人みたいな印象を与えるが、この著書の中身はむしろその逆だ。

日本一ややこしい京都人と沖縄人の腹の内 (光文社新書)

京都人の親しき中にも礼儀ありな人付き合いの仕方、

沖縄人の相手を追い詰めず、自分も追い詰められないという論理。

特定の人たちを追い込むネトウヨ化する一方の現代日本社会にこそ必要な、大人の人付き合いの仕方だと、著者は説く。

 

その他、京都と沖縄の共通点もや歴史的、背景、風習などの面から共通点を炙り出していく。

 

 

この本読んで思ったのはその土地の人間性はその土地の歴史に大きく影響を受けるということだ。

そして歴史があればあるほど、その土地の中でうまくやっていくためのルールみたいなものが自然発生的にできるのが風習なんだなと思った。

文化にはその文化が発生するための必然性があるのだ。

 

もちろん沖縄や京都の人間関係が完璧な仕組みとは言い切れない。

ただ 単に 外野から一面的に決めつけて善し悪しをいえるようなものではない、と感じた。

 

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タイトル 日本一ややこしい京都人と沖縄人の腹の内

著者 仲村清司

 

 

 

 

 

 

 

 

あか抜けない私に必要なのはたった4つの着こなしルールだった

パーソナルスタイリストを務める著者が一般の人向けに書いた着こなしルールの本。

シンプルで試しやすく効果が実感しやすいルールを紹介している

あか抜けない私に必要なのはたった4つの着こなしルールだった

 

 

私がコレだ!と思ったのは、以下。

  • femail Mailのアイテムを組合わせること。片方だけに偏らないこと。(femaleに100% 寄せた格好は意外と古臭くなるという意見に同意)
  • おすすめの差し色は水色
  • 黒白ベージュ、紺白は差し色なしでも垢抜け
  • アウターを薄色にするだけでおしゃれに見える

 

その瞬間の流行りではなく、汎用的に当てはまるルールを身につけることで、おしゃれな雰囲気を次第に身にまとえるようになるのではないだろうか。

 

最近、流行りとされているものを身につけてる同年代で、全くおしゃれに見えない人がいる、と感じる。

 

流行りの色、流行りの形、パーソナルカラーにあった色、骨格診断に基づいたシルエット…

全部押さえているっぽいし、多分オシャレなんだろうし、なんか、頑張ってるのはわかるけど違う感があるんだよなあ…。

 

なぜそう思うか?

それはきっと、その人がおしゃれじゃないんじゃなくて、自分が流行りを重視する舞台から降りた、すなわち自分が流行をおしゃれとみなす世界から外れてしまった

という気がする。

 

年を重ねて、他人の基準が何でも正しいではなくて、自分はこれがいいなと思うものが、少し見えてきたのかもしれない

 

私がこの 本 をいいなと思ったのは、私の目指そうと思っているスタイルと合っているということなのかもしれない。

自分の好きなスタイルをはっきりさせるのがまず第一歩なのかなと思った

 

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タイトル あか抜けない私に必要なのはたった4つの着こなしルールだった

著者 金川文夫

 

 

 

 

ミスター・チームリーダー

 

よく、部署の目標のキャッチフレーズで筋肉質な組織にする、という目標が立てられるが、自分はチームの筋肉だろうか、体脂肪だろうか、とふと考えてしまう小説だ。

ミスター・チームリーダー

 

後藤はJBBCのボディビル大会に向けて体を絞っている、が、一向に自分の階級目指す階級の体重に減らない。

仕事では係長に承認し、自分のチームメンバーの仕事っぷりが気に入らない。

休憩、業務後は大会に向けて食事の内容や筋肉を整えて調整したいが、

仕事を振っても断られ、時間外の飲み会には参加させられ、自身の思うように体を仕上げられない。

後藤は次第に自分のチームを自分の体とみなして考えるようになる。

自分のチームは体脂肪率が高すぎる。

あいつは体脂肪だから、いなくてもむしろチームが締まる。

仕事ができるやつは、ストイックに鍛え上げるべきだ。

そう考えて後藤が体制について介入するうち、職場のチームメンバーと後藤の体重が、連動して変化をしていく。

 

 

The石田夏穂 という感じの、身体と日常が連動するストーリー。

 

後藤は、自らの理想に沿って自分の身体を作り上げようとする。

一方、同様に仕事ができる人でも、仕事ができない人をそこまで辛辣にみない人もいる。

 

後藤の行動を見るに、塩梅ってなんだろうとか、人が、人をいるいらないとジャッジできるんだろうか、という疑問が湧く。

身体=組織にあるべき姿の正解などないのでは?。

 

私は、この後藤に言わせれば、正直組織の体脂肪なのかなーとは思うが、

ボディービルダー的組織だけが組織の正解じゃないぞという目線を持ったほうがいいな、と感じた。

 

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タイトル ミスター・チームリーダー

著者 石田夏穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかもフタが無い

ヨシタケシンスケのイラスト集。

しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1)

 

イラストと名言がぴったり合っている

中でも一番ハッとしたフレーズはコレ。

 

期待はやっかいだ。されてもされなくても困るからだ

 

 

そうなのだ。

どっちに転んでも、それぞれ一長一短あって、

全部がこうすれば全部100点みたいな状態はない。

 

しんどい時、自分だけじゃないんだなって朝じゃないけど、しょうがないな。そんなもんだよなって苦笑しながら過ごしたい時、

またこの本を開きたい。

 

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タイトル しかもフタが無い

著者 ヨシタケシンスケ

 

 

木挽町のあだ討ち

芝居小屋のそばで、菊之助という武家の若者による仇討ちが成功した。

後日、菊之助の縁者という侍が、仇討ちについて、

菊之助と関わりのあった芝居小屋の人々に、話を聞いて回る。

木挽町のあだ討ち

 

私は、一人目に話を聞いている頃は、単調に読み進めるだけだった。

2人目3人目4人目と話を聞き進むうちに少しずつ菊之助の事情が明らかになり、なぜ仇討ちをしたのかと疑問が生じてくる。

そして最後の最後で全ての謎が明らかになる、というように、読み進めるうちドキドキワクワク感がたまらなくなってきて、途中からは一気に読んだ。

 

絶体絶命と感じた時も、別の打開策を諦めずに考えることの大切さ、を感じた。

辛い時に、視点を変えて考えるようにしたい。

 

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タイトル:木挽町のあだ討ち

著者:永井紗耶子