夜が明ける を読んだ
父が借金を作って自殺した俺。
報道のみちをこころざすも、小さな芸能プロダクションに就職、過酷な労働環境、ハラスメントを受けながら、いつまでもADから抜け出せない必死で働く。
貧困のなか虐待を受けていた高校時代の友人アキも苦しい生活から抜け出せないし、生活保護にも頼れない。
貧しさ、とか、立場の弱さ、という理不尽さ努力だけでは越えるのが難しく
世間が変わらないと、ひとりの頑張りでは限界があるということだ。
俺 の後輩 森の行動は救いに感じる。
自業自得とか、自己責任とか、そんな言葉は、その人が安心して暮らせるようになって、本当に、心から安心して暮らせるようになってから、初めて考えられるんだから。初めて負える責任なんだからって。
頑張っても、頑張っても、ダメな時はありますよね?
我慢を続けたら、きっと、声を上げた人を恨むようになっちゃうと思う。
苦しかったら、助けを求めろ
これを読んで思ったのが、
助けを求めるのって、じつはものすごく難しいのかも、ということだ。
自分でなんとかしないと、と頑張ってしまいがちなのではないだろうか。
人との勝ち負けのために戦うのではなく、
自分にとって大切なことを守るために時に抗い、時に助けを求めることが大事だと思った。
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タイトル 夜が明ける
著者 西加奈子