綿矢りさ オーラの発表会を読んだ
主人公の海松子(みるこ)は人の気持ちを想像したり、
人からどう見られるかということを考えたりすることがかなり苦手。
他人の真似をして本人は生きているつもりだったが、
子供のころから学校では孤立しているとみられていた。
大学生になり、二人の男性からアプローチを受けるも
恋愛感情とは何かがわからない海松子だったが、
人の気持ちがわからないなりに、
出会った同級生等と会話する機会も出てきて、
心境の変化が生まれてくる。
もちろん、きゅんとする恋愛物語でもあるのだが
これを読んで思ったのは
自分がどうしたいかで行動できているか?ということだ。
海松子は「人の気持ち」を推し量らず(または推し量っても
ずれていて)、人に合わせて自分を変えようとしてもそもそもそんなことができない。
友人?の萌音は、いいと思った人の服・持ち物などなど完コピをすることで
周りからうっとおしがられたりもする。
でも、自分がそれでいいと思って行動すると、
傷つくこともあるけれど、
それも含めて自分で引き受ける覚悟が伴い、
潔いし、清々しいと感じる。
人のことで悩むから人間なのだけど、
悩みすぎて辛くなったら、自分がどうしたいかに戻って
考えることが大事だと思った。
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タイトル オーラの発表会
著者 綿矢りさ