いろんな本を読んでみる

本を読み散らかすだけじゃもったいない!ので、読んだ本を記録します

「総務部DX課 岬ましろ」

ストーリー仕立てで、DXプロジェクトのキモわかりやすく紹介されている。

DXを進めるにあたっての考え方をザックリ理解できる一冊だと思う。

 

総務部DX課 岬ましろ (日本経済新聞出版)

 

この本では、DXのポイントとして以下のような点が挙げられている。

  • ドラッガーの5の問い、「ミッション」を知る
  • クイックに、90日でまず成果を出す
    20%の賛成派とともに成功事例を作ることで、60%の様子見層含め前向きに取り組む雰囲気づくりをする
  • デジタル化は手段であり目的ではない。デジタルを活用して価値提供することがDXだ。
  • 提供者目線ではなく顧客目線
    顧客は誰か(どんな人か)、どんな課題を抱えているか、課題に対する提供価値はなにか?を考える
  • 進化するデジタルテクノロジーを利活用して、顧客に便利でより良い価値提供をすることが自社のビジネス変革し続ける活動になる。

 

 

これを読んで、日ごろ、ついつい手段が目的化しがちだ…と反省した。

ミッションは?目的は?それを実現するためには?と考える一方で、
では実際に何をやるか、というところで、ついつい現状の業務がまわるには、とか、今の枠組みで何を改善するか、というところに目が行きがちだからだ。

目的を見失わないことが大切だと感じた。

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タイトル 総務部DX課 岬ましろ

著者   須藤憲司

出版社  日経BP

 

 

 

 

 

地中の星

門井慶喜さんの地中の星 を読んだ。

 

地中の星

 

日本で初めての地下鉄誕生から、営団地下鉄ができるまでの物語だ。

地下鉄建設のために奔走した早川徳次
歴史の表舞台に名は残らないものの、
「誰もやったことがない」工事を、
しかも「都会のど真ん中の地下で」
「限られた技術と道具、日本という環境に合わせて」
やり遂げる数々の技術者たち。

地下鉄事業の資金集め・会社づくりから、実際の地下鉄敷設・開業までの

苦労、情熱、仕事にかける想いが描かれている。

 

 

すべての苦労が報われるとも限らない、でも、苦労した人は
それだけ人生の充実度が違ってくる。

誰もやったことがないことをやる、
その困難さがありありと感じられる小説だった。


田原町稲荷町あたりの少しだけ地下に潜る感じ
(地下鉄と思えない乗り場の近さ)は、
もしかしたら当時の雰囲気を若干味わえるのかもしれない。

また銀座線に乗って出かけたくなった。

 

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タイトル 地中の星

著者   門井慶喜

出版社  新潮社

 

 

地中の星

 

 

 

 

 

アンチ整理術

アンチ整理術 Anti-Organizing Life (講談社文庫)

捨てる技術・断捨離・ときめき…など、整理整頓して身の回りを整えることが長期的ブームだ。

そんな中、あえての「アンチ整理術」というのにひかれて読んでみた。

 

 

大勢が利用する場所、手順ややり方が決まっていてその通りきっちりやるべきことが求められる環境では整理しないと実害があるかもしれないが、一人で作業をする、研究をする、といった場合、散らかっていてもいい。

モノの生前整理も不要(ただし「処分代」を残すこと)。人間関係を整理しておくことは重要。

整理整頓に、「仕事ができるようになる」等の効果は期待できるとは思えないが、効用があるなら、気分がすっきりすること、そして(何をしたらいいかわからず膠着状態のときに)とりあえず行動に移す一歩となること。

 

これを読んで、

手段と目的

を意識して切り分けることの大切さを実感した。

 

ともすれば、「整理する」ことで人生のいろんなことが好転すると期待してしまうが、
仕事ができるようになるには仕事のことを考え、
知識と経験を掛け合わせた教養を身に着け、
生活を楽しくするには、生活を楽しくする工夫をする。
それぞれの目的に応じた行動が必要だと思った。

 

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タイトル アンチ整理術

著者   森 博嗣

出版社  講談社

 

 

Invent & Wander

Amazon創業者 ジェフ・ベゾスが、株主に宛てたレターや講演等で話した内容をまとめた一冊だ。

 

Invent & Wander――ジェフ・ベゾス Collected Writings

 

新ビジネスの始め方、新ビジネスに必要な長期的視点等についての考え方が、もともとのAmazonのサービス、プライム、AWSやアレクサの例とともに示されていて、なるほどと思う箇所がいくつもあった。

 

それとは別に、知識・知性・教養・生き方について語った内容が、とても印象的だった。

 

母校プリンストン大学で講演した際の、子どものころのエピソードだ。

タバコ一吸いで寿命がどのくらい短くなるかという情報を聞き、祖母の喫煙傾向や頻度から何年寿命が短くなるか計算し、祖母に伝えた。
祖母はジェフを賢いとほめるどころか、泣いてしまったとのだ。

その時の祖父の言葉が以下だ。

ジェフ、賢いよりも優しいほうが難しいんだ。

そして、以下のように伝える。

  • 頭の良さは才能、優しさは選択
  • 才能は持って生まれたものだから簡単で、優しさは難しい。才能におぼれて選択を誤る可能性もある

 

これは、プリンストン大学学生のような頭の回転が速い人だけではなく、
どんな人にも当てはまることだと思う。

知識でも、腕力でも、コミュニケーション力でも、いろんな分野で「人よりもできること」があるとき、
その優位性に奢って(または無意識に)行動し、誤った方向に暴走する可能性もある

だから、自分が社会に対して何ができるか、考えたり悩んだりしながら「選択」をすることが大切なんだなと思った。

 

 

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タイトル Invent &Wander --ジェフ・ベゾス Collected Writings

著者   ジェフ・ベゾスウォルター・アイザックソン

出版社  ダイヤモンド社

 

 

 

 

 

 

土井善晴の素材のレシピ

土井善晴の素材のレシピ

4段階の2番目3番目、少しなら余裕あるモード・リラックスモード で作るレシピとして紹介されている。

 

土井善晴の素材のレシピ

このレシピの調理手順には以下のような項番はない。

1.xxxして****する

2.1を***する

なんなら、手順が30文字強のレシピもある。

 

正直、見なくても作れるものも多数載っているが、

見なくても作れるのは、「自分が食べたことがあって」

「作り方のイメージが大体わかっている」からだな、と気づいた。

特定の料理を食べたことが無ければ、素材だけを見てその料理が思い浮かばないし、

料理をしたことが無ければ自分で作ることはできないからだ。

(作る工程がおもいうかばない)

 

この本では、こういう食べ方があるのか!という発見が多数ある。

で、土井善晴さんレシピだから、安心して作ってみられる。

(面倒だったり、味がはずれだったり、がない)

同じ素材でも、素材の量や、合わせるものや、食欲によって、

いろんな展開ができるので、とても心強い。

 

この本を見なくてよくなるまで、いろいろ作りたい。

 

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タイトル 土井善晴の素材のレシピ

著者   土井善晴

発行所  テレビ朝日

 

 

 

 

 

 

 

 

ミルクとコロナ

[ミルクとコロナ]を読んだ。

自分のバイアスに気づくこと、また、目標を見失わないこと

など、改めて気がついた1冊だ。

 

ミルクとコロナ

野ブタをプロデュース」の白岩玄さん、「人のセックスを笑うな」の山崎ナオコーラさん、

同時に文学賞を受賞した「同期」的な二人の往復エッセイ集だ。

主に、育児、社会・家族での役割に関する考え方やコロナ禍での過ごし方といったテーマでつづられている。

この本では、これまで気づかなかった視点がいくつもあった。

 

■「黙らざるを得なくなる」(白岩玄

男性は子どもを介したつながりが持ちづらく、また、育児における男性蔑視(男性は育児をしない生き物だと決めつける態度)を取られがち、というものだ。

白岩さんは、こうしたことは、

世の男性がもっと当たり前に育児参加をしていれば起こりえないことだ。だから、ぼくは育児をしていて性別の壁を感じるたびに、言葉が出てこなくなってしまう。

と振り返っている。

 

これを読んで、自分が視野が狭かったと感じた。

「社会・職場・家庭における女性蔑視」ばかりに目を向けていたからだ。

性別によるバイアスをかけず、対等にいろんな人と接したいと思った。

 

 

■「こんな生活の中でのコミュニケーション能力」(山崎ナオコーラ

子の状況から自閉スペクトラム症ASD)を疑い、自発的に検査を受ける。
知能テストは点数もよく凹凸が出なかったが、親の主訴の内容から、医師は「ASDの傾向があるととらえてよい」と診断する。

それを受け

療育を受けさせたい。それは決して「普通と違っているせいで困ったり大変だったりしているから、普通になるように治したい」と思っているわけではない

「特性を知り、自分に合った教育を受けて欲しい。周囲を傷つけることなく、自分も大事にして、生きていって欲しい」と願っている。

と山崎さんは述べている。

 

これを読みハッとした。

療育には正直マイナスイメージがあった。

それは、「普通のことが出来ない、だから、普通の子と同じようにできるようになる」ととらえ、ゴールが「普通の子と同じ」を目指すこと、とはき違えていたからだと思う。

「周りの人への適切な接し方を学んで本人が幸せに生きること」をゴールとしてとらえると、必要な手段も変わってくるだろう。

このように、目的・ゴールをどうとらえるかで、やるべきことは変わる、と気づいた。

誤った目的に子を連れ込んでしまうと、誰も幸せにならない。今自分がやろうとしていることの目的は?というのを随時振り返ろうと思う。

 

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タイトル  ミルクとコロナ

著者    白岩玄山崎ナオコーラ

出版社   河出書房新社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦の国

戦の国

戦国時代、織田信長から豊臣秀頼まで、6人にフォーカスした連作短編集だ。

 

戦の国 (講談社文庫)

「黄金児」は豊臣秀頼のストーリーだ。

これまで抱いていたイメージ(ドラマで描かれていたイメージ?)と比べ、頑強かつ聡明で家康と堂々渡り合う青年として描かれている。

 

確かに、50ほども歳の違う家康と渡り合うには

豊臣秀吉の子という「正当性」だけでは難しいだろうし、

家康が難癖をつけてでも大坂城(秀頼)を攻める方便を作った

というのは有名な話だ。

 

神格化した若さみなぎる秀頼 VS 権謀術数に長けた天命の近い家康

 

その壮大な駆け引きだった、と思うと、

また大坂夏の陣が大きなドラマだと感じる。

 

この本を読んでいると、また、大阪城に行きたくなった。

 

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タイトル 戦の国

著者   冲方丁

出版社  講談社