あらすじ
主人公は自分の希望していた部署に初期配属されたが、
部門の不適切発言の責任を暗に背負わされるかたちで、
人事部の採用担当に異動となった
人事や会社への報復として
自社にとって役に立たない人
を採用しようと考える
採用担当が行う一次選考にあたり、
他の担当者の選考基準は、
学生時代に頑張ったこと・履歴書・語学…等、
各担当者ごとの観点がある
主人公は、
顔の黄金比が取れていること
だけを基準に選考するのだ
さらに、優秀とされる人ほどすぐやめる、と考え、
慣例を覆しパンフレット等の広告媒体等をプロに発注する、など精力的に動いた結果、
結果的に
すぐ辞めそう=いわゆる二次面談以降を行う上層部にとって 魅力のある人材
が採用できるようになっていく
感想
著者はもともと採用担当?と思うほど
リアリティがすごかった
憎悪であれ何であれ、強い目的意識を持って 行動すると
結果がついてくるんだなと感じた。
陰ながら復讐をすることで、主人公は、
気持ちのバランスを保ち、
自身を追い詰めずに、気持ちを落ち着かせることができたのでは、と思う。
また、組織にいれば人事や採用の基準は
自身の価値全てを決めるように思ってしまうが、
基準はかくも曖昧で、恣意的なもの
である可能性もある。
他者の評価に振り回されるな、ということも感じる
順風満帆なときより、
何かうまく行かないとき…に読み返したい一冊だ。
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タイトル 黄金比の縁
著者 石田夏穂