捨てる技術・断捨離・ときめき…など、整理整頓して身の回りを整えることが長期的ブームだ。
そんな中、あえての「アンチ整理術」というのにひかれて読んでみた。
大勢が利用する場所、手順ややり方が決まっていてその通りきっちりやるべきことが求められる環境では整理しないと実害があるかもしれないが、一人で作業をする、研究をする、といった場合、散らかっていてもいい。
モノの生前整理も不要(ただし「処分代」を残すこと)。人間関係を整理しておくことは重要。
整理整頓に、「仕事ができるようになる」等の効果は期待できるとは思えないが、効用があるなら、気分がすっきりすること、そして(何をしたらいいかわからず膠着状態のときに)とりあえず行動に移す一歩となること。
これを読んで、
手段と目的
を意識して切り分けることの大切さを実感した。
ともすれば、「整理する」ことで人生のいろんなことが好転すると期待してしまうが、
仕事ができるようになるには仕事のことを考え、
知識と経験を掛け合わせた教養を身に着け、
生活を楽しくするには、生活を楽しくする工夫をする。
それぞれの目的に応じた行動が必要だと思った。
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タイトル アンチ整理術
著者 森 博嗣
出版社 講談社