おいしいものでできている を読んだ
料理人であり飲食店を多数経営する 稲田俊輔氏の本で、「常軌を逸して美味しいものを食べるのが好きな人」が 世の中に溢れる 色々な食べ物について綴ったエッセイだ
消費者目線とビジネス目線、両方での著者の考えが載っている
- 幕の内弁当のおかずとごはんを食べる順番を一生懸命考えること
- 小籠包は一度に10個は食べるべし、ということ
- 家で作るポテトサラダや コロッケと、お店の味は 明らかに違い、甘さやコクがあってプロっぽくなりすぎていて、手作りしなければシンプルな味を食べる機会がなくなりつつあること
- エリックカレーで 売上不振の時、一部 メニューを新メニューに切り替えたことで常連のアンケートに 「いいから メニューを元に戻せ! 」書かれていた。今思えば気持ちもわかる
- テイクアウト専門のエスニック弁当店がうまくいかない時に作った3種類の唐揚げ弁当 (唐揚げ弁当、 ご飯の見えない唐揚げ弁当、と蓋の閉まらない唐揚げ弁当 )を成功させた考え方が、市場を見極めて潜在ニーズがある商品を投入する「マーケットイン」だと自己評価していること
とても面白くぐいぐい読んだ。
ただ、この一冊の本の中で著者の食に対する相反する気持ちがあるように思う。
自分がおいしいと思うもの、興味のあるものを 食べたい・提供したいという思い
商業ベースで成功するためには自分の理想と 消費者にウケるものが違うという難しさ
その2点のバランスが難しそうだ。
ものづくり というのは
消費者が求めるものを理解して
自分の提供できるもの
消費者が欲しいもの
が交わる点を見つけだすこと、
そういうシンプルなものなのかもしれないと思った一冊だった。
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タイトル おいしいものでできている
著者 稲田俊輔