朝井リョウさんの短編集「どうしても生きてる」、読んでてつらいです。
6つの短編の中、一番印象に残ったのが、籤(くじ)。
主人公は小さい時から50%の確率で女性に生まれて、いろんな局面ではずれクジを押し付けられてきたと感じている。
困難に直面した時に、自分の論理を押し通してほかの人に押し付けたり、「自分の弱さを打ち明けるいさぎよい自分」に酔って結局自己中心的な行動しかしない、周りの人たち。
そういう人達の中で、主人公は好きで困難に立ち向かうことを選ぶわけではなく、●●%の確率で自分に回ってきたはずれクジを前に、何とか対応するほうしか選ばざるを得ない人生を送る。
私自身、はずれクジを引きそれを受け止めることもありますが、はずれクジを押し付けるかの如く、自分は弱さをひけらかして現実から逃げるほうを選んでないか(誰かに外れクジを押し付けようとしていないか)、それは人として醜いのではないか、と、なんだかつらい気持ちでいっぱいになりました。
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タイトル:どうしても生きてる
著者:朝井リョウ
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