エッセイ集のなかの、「そんなにびっくりしなさんな」。高度なコミュニケーション力が必要かつ、身につまされるテーマでした。
便利なことに、「びっくり」や「驚いた」の前後に否定的な文をつなげると、 驚きとともに非難めいた意図を伝えることができるのです。私はこれを「びっくりの脱法使用」と呼びたい。
マイナスな感情を十把一絡げにして驚きにすり替えるのは、自分のネガティブな感情を表さないまま、会話の相手に「非難されるべきは、私をびっくりさせた人」だと示唆します。
傷ついて弱っている心を丁寧に正直に開放すれば、自分の心を慰めてくれる言葉が必ず帰ってくるとも思います。
文字で指摘されて、初めて気が付きました。
・よく言えば、否定的な感情を別の言葉に差し替えるマナー
・悪く言えば、悪者にならずにネガティブな気持ちを伝えるレトリック
それが脱法使用。
自分もこういうレトリックは好きではないけれど、使ってしまう心当たりが大ありです。
いい人になりたい、悪く思われたくないという気持ちがあるけれど、はっきり言えない。
でもこれって、結局悪く言ってる空気を会話に作るわけですね。
他にも、メール/LINEで「○○ なんだけど…」の、この「…」!!
これも否定的な意見をはっきり言わない自己防衛用語。
私自身、多用してる自覚ありです。しかも、若干の罪悪感を感じながら。
ただ、こういうワードを使っていると、はっきり言わないと進まないので、話がだらだら続く原因にもなる。
だらだらっと話すだけでよいようなケースではいいけど、自分の思いを受け止めてほしい、マイナスな感情を変えるために相手に働きかけたい、なんていう時には、「自分は悪者にならず察してほしい」、という表現では難しいのかも。
相手の立場をおもんぱかりつつも、自分はこう思う、という主張をする勇気を持って、言葉を選べるようになりたいと感じました。(嫌われる勇気?ちょっと違う??)
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