新築マンション アドヴァンス・ヒルに引っ越してきた人々の日常の葛藤と、それをどう乗り越えるかを描く連作短編だ。
あらすじ
地方の中学校ではトップだったのに、進学校の高校に入って成績が振るわない泰斗
ママ友付き合いで神経をすり減らす紗羽
ウェディングプランナーとして顧客の要望に答えられているのか、不安なちはる
駅伝大会に出たくなくて、嘘をついたら本当に足が痛くなってしまった勇哉
疎遠だった一人暮らしの母親の老いを実感し、対応に悩む和彦
近くの「日の出公園」にある、自分の体の治したいところと同じところを触ると回復すると言われている、
アニマルライドのカバの「リカバリー・カバヒコ」のもとへ、
悩みを抱え相談しに行く。
感想
日常で悩みを抱える人全てに一度読んでほしい本だ。
カバヒコは何かをしてくれるわけではない
でも、カバヒコの効用は大きい
カバヒコがそこにいると、
相談したいこと=体のどこかについて困りごとを抱えている
と自分の中で整理ができるしそして何に悩んでいるのかというところを言語化、頭の中で自分のモヤモヤしたものを吐き出すことができる
人にも働きかけていくきっかけになる
出口が見えず塞ぎ込むとき、カバヒコの存在を思い出したい
悩みを整理することで、
- 自分の悩み事は自分の中に解決策があったり
- 他者に考えを伝えてフィードバックや反響を得たり
- 行動を変えたり
できるんじゃないだろうか。
それが解決の糸口になるんじゃないだろうか、と思った。
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タイトル リカバリーカバヒコ
著者 青山美智子
出版 光文社
