本屋大賞受賞作、流浪の月を読んだ。
「少女誘拐監禁事件」の当事者である更紗と文の物語だ。
小学生の更紗は型に縛られない自由な両親のもとで、のびのび暮らしていたが、父をなくし伯母宅に引き取られた。伯母宅で耐えがたい思いをしており家に帰りたくないと強く願っていた。
そのとき、公園で大学生の文のいえについていった。
文との暮らしは穏やかで心休まるものだった。
成人してからも、更紗は誘拐被害で心に傷を負ったひととして、扱われることとなった。
この本では、どこにでもいそうな怖い人に対して、自分の心を守るのがいかに難しいか、物語っている。
第三者が外野から善人面して興味本位で噂をたてる。
匿名で誹謗中傷する。
立場の弱い人間と見なして、勝手に哀れみ上にたった気になる。
私たちはおかしいのだろうか。
その判定は、どうか、私たち以外の人がしてほしい。
私たちは、もうそこにはいないので。
人の言うことを気にしない、と腹をくくれる人間は強い。
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タイトル 流浪の月
著者 凪良ゆう