白黒つけられたら簡単だけど、容易に判断しづらいことがたくさんある。
思考停止になりそうになった時、改めて読み返したいと思うのが
橘玲さんの「事実vs本能」です
印象的だったのが、「差別」についての考え方。
中でも、事例として挙げられた「ヘビを嫌うのは差別か」
- ヘビを気持ち悪いと思うのは生得的な感情であり、猛毒を持つかもしれないヘビを警戒する個体が生き延びて個体を残している
- 一方、犬や猫はかわいがるのにヘビを嫌うのは差別だ という主張があるかもしれない。
- ヘビへの嫌悪感は遺伝的なものだが、教育で「差別してはならない」とした場合、自分を不道徳とみなすか、差別する自分は正しいと開き直るか、のいずれかとなる。
- 社会の価値観(差別してはならない)と進化の過程で作られた感情(ヘビ嫌い)が整合しないことがあり、社会問題の多くがこの両者の衝突から生じる。
進化の過程での嫌悪感、とはちょっと違うかも、ですが、自分が属する集団の「文化」「しきたり」「伝統」といった価値観と、個人の感情(いやだ、つらい、怖い、いたい…)が衝突すると、集団の価値観が優先されがちで、それがいろんな事件にもつながっているように思います。
集団の価値観と個人の感情がぶつかると、どうしても集団の価値観が優先されがちになってしまうように思います。
集団の価値観をひっくり返すのは難しいかもしれません。でも、主張できる場面では主張する。どうしても主張することが困難な場合は、別の価値観が許容される場所に自分の居場所を作るよう努力する…というのが必要だと感じました。
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タイトル:事実vs本能 目を背けたいファクトにも理由がある
著者:橘玲