実家の介護問題をテーマにした小説、「素晴らしき家族旅行」を読んだ。
主人公の幸子は、夫の祖母・淑子の介護のため、一家で夫の両親と実家に住む。
きっかけは、夫の母の房江・夫の伯母の弥生が淑子と仲が悪く、夫の妹の久美子も一切介護をしないという状況だ。
幸子は年上かつ離婚歴ありということで、房江からはよく思われていなかった。
結婚するときに、ささやかながら祝ってくれた唯一の人が淑子であり、幸子は淑子を慕っていた。
介護を続けるうちに、財産問題・介護のこれまでのいきさつなどが明らかになり、
「情に厚い」幸子だけが介護を実施するようになる。
この本を読んで
損得と幸福は一致しない
自分が生き生きできることが幸福
と感じた
幸子は、確かに「これまでの環境を離れて」「ただ働きに近い形で」「みんなが投げだした介護を」「そりの合わない義実家と同居して」やる。
どう考えても、「損」な役回りだ。
しかし、幸子は自分の意志で「恩を受けたおばあちゃんの世話」をし、「義実家には恩を売り」「PTAなどで仲間(子分?)を作り」、自分の居場所を作っていく。
一方で、介護をせず財産は手に入る予定の、房江・弥生・久美子はそれほど幸せそうには見えない。
誰かが自分の人生を充実させてくれるわけではない。
自分が動いて初めて自分の人生は充実する。
損したくないと思いがちだが、損しないことばかりにこだわらず
自分が楽しく過ごせること、を基準に行動を選んでいきたい。
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タイトル:素晴らしき家族旅行
著者 :林真理子
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