麦本三歩の好きなもの 第一集・第二集。
大学図書館に勤める麦本三歩(さんぽ)の日々をつづった小説だ
職場の最年少でミスも多くすぐ叱られる、新人の後輩が入ってくることにドギマギする、合コン参加して二人で会うことになっても勧誘かフリーメイソンか…とあれこれ思い浮かべてしまう、好きな本や音楽については熱く語りがち。
その考え方わかる~と思う部分もあり、無理しないところもいいなと思う。
その中で、第二集で大きなミスをした時の「怖い先輩」の言葉にハッとする部分があった。
ミスに怒り、土下座を強要する利用者に対し、先輩が言った言葉と、その理由を三歩に伝えるシーンだ。
先輩は、謝罪とともに、「人として、図書館スタッフとしての、尊厳を傷つけるような行動はさせられません」と利用者に伝えた。
そして、三歩には
「非常識な要求を飲み込むことは丁寧な対応でも何でもない。」
(中略)
「それはほかの図書館スタッフ全員の尊厳を傷つけることになっちゃうよ」
(中略)
「あの時三歩が折れたら、あの人はほかの図書館スタッフに同じことを言ってもいいと思うかもしれない。それを見たほかの利用者もまねてしまうかもしれない」
と伝える。
そして三歩は、
「同じ立場の人たちを傷つけそうだったから先輩は助けてくれた」ということを理解する。
このエピソードにハッとさせられた。
誰しも、つい簡単な方に流れがちだ。
自分が言いなりになって気が済むなら自分はつらくてもそれでいい、とか
考えがちだと思う。
でも、そこが視野が狭い部分なのかもしれない。
広い視野をもって、考えることが大切だと感じた。
また、「視野の狭さを指摘してくれる存在」がもしいたら、
大事にしないといけない、とも思った。
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タイトル
麦本三歩の好きなもの
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